その日、私は珍しく都と学校に向かっていた。
チャリンコをニケツして、完璧遅刻で校門を通り抜ける。


頭上でチャイムが鳴ってる。
それは始業のチャイムじゃない。

多分、一時間目の終わりのチャイム。


ちょうど休み時間になった教室に私と都は入った。

誰も私と都に話しかけてこない。
そんな状態にも慣れた。


だけど、今日は違っていた。


「花蓮の菜々美に都」


私と都の前に立つと、そいつはニヤっとしながらそう言った。


「……沙里」


都がぽつりと呟く。


「何か、花蓮入ったからって調子乗ってるんでしょ?」

「はあ?」


突っかかって来る沙里に、メンチ切る私。


「光が一番なの。麻美だかなんだかわかんねーけどさ」

「何なんだよ!お前!」


食ってかかろうとする私を都が制止する。
それから、沙里に話しかけた。