笑い合う二人。
だけど、拓斗さんはさっきよりも柔らかい顔をして笑っていた。


…麻美さんの事、まさか好きなのか？

女の勘がそう言っている。


麻美さんが拓斗さんから、佐緒里さんと信司さんに会話を振った時。


拓斗さんは笑顔なんだけど…。

笑顔なんだけど…。


眉を少し下げて笑うその顔に見惚れてしまった。


何て、悲しそうな顔で笑うのだろう。


そんな拓斗さんに私は惹かれたんだ。



それから、誰かにその恋心を打ち明ける事はなく、都にも言わずに過ごした。
いつか言おうとは思ったけど…

相手が、麻美さんだなんて。

絶対勝てないじゃないか。


麻美さんに勝ってるモノなんてない様に思えた。