それから暫くして、立ち上がった俺は両腕を空へ伸ばして背伸びをするとそのまま空を仰いだ。



真っ青な空。
麻美の最期の顔みたいだ。




…初めて会った入学式。



あの日も快晴だった。





むかつくぐらいに雲一つなく晴れていて。
今日も、それと同じだった。





今日で麻美とはさよならだけど、終わりじゃない。
俺はこれから例え、菜々美と付き合っても麻美のことは思い出す。

いや、忘れない。


だけど、その上で菜々美を愛していこうと思う。



そう、前向きに考えられたのはきっと。
哲ちゃんのお陰。
最期の麻美の顔のお陰。