凛々しく、雄々しく見えるその裏で。
儚げに俯く麻美を何度も何度も見てきた。



誰かに頼らないと生きてけないのに。
そうする術を知らずに、一人で生きることが麻美の中での常識だと。普通だと。


その麻美を救いたかったんだ。



…俺、何かしてやれたのかな。
麻美に。




考えててもしゃあねえな。



麻美は清々しい顔をしてたんだ。



俺が、こんな愚痴愚痴女々しくしててどうする。



明日から、仕事だ。


普通の毎日に戻って行くんだ。



麻美のいない、普通の毎日に。



もう、前を向くから。

麻美を思い出にするから。



だから…。



今だけは泣かせてくれよな?


麻美の思い出に浸らせてくれよな…?