その後、花蓮は菜々美って子が後を継いだ。

本当は引退パレードの後に明かす予定だったけど、それどころではなかったから。



慕われてる菜々美は適任だと、賛同も多く。


麻美さんの次は、荷が重いなあ、なんてぼやきながらも菜々美は嬉しそうだった。

それを見て、佐緒里と朱美と琴子は微笑んだ。





今日も、俺は麻美の家へ向かう。

毎日毎日、線香だけをあげに麻美の家へ通った。




最初の何日かはいなかったこともあったり(今思えば居留守だったのかも)、本当にうざがられたり。

あからさまに怪訝な顔を見せた母親だったけど、それを二週間ほど続けた時に。




俺に鍵と紙を渡して


「私のいない時に、勝手にあがって線香でもあげて頂戴。
それ、私の勤務表。
毎日貴方の顔見るのうんざりだわ」




麻美の母親はそう言い放った。




「…ありがとうございます!」



俺が頭を下げると、母親は冷たい瞳で信じられないことを言った。