反対側の道路から出てきた何台ものバイク。




先頭にいたのは信司だった。



その後ろには総神のメンバーが揃っている。




「花蓮の引退、最後までしっかりやれよ!!!
こっちは任せろ!!」


「信司!」




佐緒里が信司に声をかける。
それからすぐにあたしに視線をうつした。



「麻美!」






わかってる。
昔のあたしならきっと、こんなこと引き受けなかった。


自分で絶対行ってた。




だけど。
こういうのも。
必要なんだって。


わかったから。







同じ仲間なんだから。





「信司!!!
任せた!!!!捕まるなよ!!」


「みくびるんじゃねーよ!!!!」



勝ち誇ったような顔をして信司が拳を作った。
それに拳で返して、あたし達は総神の後ろを走り抜けた。



拓斗が、パトカーの前に躍り出る。
煽るように迂回旋回して、引き付ける。




その後ろを更に花蓮が続いた。