「そんならあたしはあんたを殺さなきゃならなくなる」


「殺れるもんなら殺ってみろよ」


「脅しじゃねーんだよ」




あたしは隠していたナイフを取り出した。
それを見て蒼褪めたのは周りだ。
最初に気付いたのは佐緒里。




「麻美!お前、何してんだよ!」


「うるせー!!
こいつを殺さねーとあたしは引退出来ねーんだよ!!」




あたしはナイフを凛に向けて走った。






…最期は…鑑別の中か…。




族のアタマとしてそれもいいのかな。
なんてバカなこと考えながら。





「麻美!!!!」


「麻美さん!!!!」






花蓮の仲間の呼ぶ声が遠くでする。



凛に当たりそうな距離でそのナイフを握り締めたのは。












朱美だった。