柔らかく微笑んでいて。
予想もしてなかった表情にあたしは目をぱちぱちとさせた。




「…辛い、かもしれないけど。
幸せだよ」


「何、言って…」


「だって、麻美の生涯に俺しかいないんだよ?」


「………」


「俺、麻美を最後の女にするって決めたんだよ」


「バカじゃねえの?」


「ああ!バカだよ!
そんぐらい麻美を好きなんだよ!わかれよ!
逃げるなよ!全部受け取めるから!
麻美も逃げるな!!」




逃げて…なんかねえよ。
どうやって逃げるんだよ…。
あたしだって逃げてえよ…。




この世界にはあたしの逃げる場所なんてないんだよ。



「どうせ、誰にも言ってないんだろ?」




何で…わかるんだよ。