「言えよ…何があったんだよ…。
嫌いになったんなら言ってくれよ。
俺ちゃんと聞くから。
いきなり突き放すなよ…」



俯いて悲しそうな顔をする。
やっぱり、隠せない。
こいつには隠せない。



何でだ。
哲を悲しませたくないのに。






言っても、言わなくても悲しませるだなんて。






「………だよ」


「え?」





小さく呟くあたしの声を聞き取ろうと、哲は顔を上げる。






「死ぬんだよ!!!あたしは!!!!」









哲は目を見開いて、また二人の時が止まる。



耳に聞こえるのは波の音だけ。
ざあざあと、打ち寄せる波の音だけ。