家族なんていらない。





あたしの家族は花蓮だ。







通り過ぎた後も、母親はあたしを見ることなく。

あたしも見ることなく。





それが母親との最後だった。






あのニヤニヤ笑った顔が気持ち悪い。
あの体から産まれたのかと思うと吐き気がする。






イライラがおさまらなくて、あたしはバイクをぶっ放した。






行きついたのは…。






やっぱりあの海。





あたしはバイクを降りて砂浜を歩く。





踵を踏みつぶしてる靴にすぐに砂が入る。







あたしは誰もいないその砂浜に座りこんだ。