あたしが黙って後ろを振り向くと、母親があたしを見下ろす形で立っていた。
片手にタバコを持ちながら無表情で言い放つ。





「長くて半年。
三ヶ月で死ぬって。
はは、こっちは助かるわ」


「……」



唖然とした。
産んでくれてありがとうだなんて思ったことない。
何で産んだんだ?って。
小さい時から思ってた。

ずっとずっと思ってた。



「そんなに死んで欲しかったんなら、何で産んだんだよ?」



タバコを口に銜えて、母親はあたしを見ずに煙を吐き出す。
冷たい瞳であたしをちらりと見る。

ふっと息を吐くように笑うと。







「男を繋いでおくため?」


一言、呟いた。




「!!!!!!」






最低だ。
こいつ。





あたしは黙って残りの衣類を詰め込んで立ち上がった。
もう、この家に来ることはない。
未練なんかない。