居候して1ヶ月が経った。


あたしが朱美の家に来た翌日。
佐緒里と琴子に理由を問いただされたけど、あたしはいつか話すと言った。
もちろん、佐緒里は納得してなくって。


それを朱美がなだめてくれた。
渋々納得した感じだったけど。



朱美にはまじで頭があがらない。
周りの奴には哲から連絡あっても誰にも言うなって言っておいた。



それからその事に触れる奴はいなくなった。






バイクに跨がってあたしは走らせた。




向かう先は。






自宅だった。


死ぬんだってわかったあたしにはすることがある。
その為には。



特攻服が必要。



母親に会う気はない。
あいつと話すことなんてない。




あたしはバイクの鍵をポケットに突っ込むと、玄関に向かう。
久しぶりのこの家。



母親が何してるか。


…知らない。