「そういえば、あんたって芸能コース?それとも特進司法コース?」

この学園には二つのコースがあります。
芸能コースと特進司法コースの二種類です。普段HR(ホームルーム)が行われるのはそれぞれのコース全体をクラス分けしたクラスで行うのですが、コースによって授業内容は全く違うのです。

特進司法コースはその名の通り「司法」に特化コースで主に法律の事を学ぶ事が多いです。ここに入ると有名大学の推薦、はたまたこの学校のOBの弁護士、検察官、裁判官さんなどの下で実際に活躍することができる。

芸能コースは多くのカリキュラムの中から「自分のなりたい芸能人像」を選択して自分に合ったカリキュラムを取っていき、この学校を卒業後は凰華学園の理事長さんの運営する事務所にスカウトされたり他の大手事務所の方に声がかかったりします。

どれも成し遂げるにはこの学園で血の汗滲むほどの努力をしなくてはならないとか。

受かるだけでも厳しいこの学校でも、たった一年で何人もの人が辞めていき、去年もクラスのほんの数人しか卒業出来なかったそうです。

…厳しい世界です。

「わ、私は芸能コースですよ?」

「じゃあ鈴蘭が芸能コースのトップかぁ。…となると特進司法コースはアイツで決まりか…つまんないのー。」

そう口を尖らせてつぶやく愛に鈴蘭は首を傾げた。

「ねぇメグちゃん。アイツって…?」

「アイツったらアイツよ!もういけ好かない奴で…!何で寄りにも寄ってアイツと同じなのかな…」

するとピンポーンパンポーンと放送が流れる。

「新入生代表はただちに舞台裏まで集合してください。繰り返します。新入生はただちに…」

「メグちゃん私行くね!」

鈴蘭は愛に手を振って身を翻す。
そして、舞台袖へと移動するのだった。