相手するこっちの身にもなれや!


「女に興味はないんどすか」


「すまないな」


「いえ、別によろしいんどすよ」


あたしだって好きでこんなとこいるんじゃないし。


てか、情報抜き取ったら終わりって言われたけど…。


全然ないし、情報。


まだ指名されないし。


「…………」


この人は何もしゃべらないから、何もできないし!


なんか、会話…。


話題…。


ねぇよ、そんなもん!!


誰か…助けて…!


そんな思いが通じたのか。


「失礼いたします。雅に指名が入りまして」


山崎さん、ナイスタイミング!


「そうか」


「では、失礼いたします…」


「あ、雅。…そなたみたいな女も、いるのだな」


そう言って笑われた。


…どういう意味か分からなかったから、曖昧に微笑んでおいた。


「翼鬼ちゃん、何したんや?」


部屋を出ていきなり、山崎さんに聞かれる。


「いや、何も。何もしなかった、ほんとに」


お酌しただけだし。