怖くて怖くてたまらない。
「ここは?」
暗い部屋。
歩くと何かが足に当たった。
「わあっ!ひ!」
そこには血だらけの和音。
もう息はしていない。
「い、いや、嫌だ嫌だーーーー、嘘だ」



「あーーーーーーー」
眼を開ける。
夢?
はぁはぁ…。
「大丈夫か?」
翔が俺の肩を持って叫ぶ。
「はぁ、はぁ、か、和音が……はぁ…」
何も考えられない。
「大丈夫、大丈夫だから、な?亀……和音は……」
和が泣き崩れながら言う。
和音?
「和音は、何なの?なぁ?教えてくれよ!!」
近くにいた雅樹にすがりつく。
雅樹は、泣いていて何も答えてくれない。
俺の中に嫌な考えが浮かぶ。
頭に残るのは和音の笑顔だけ。
知らぬ間に俺は泣いていて、もう息ができなくなるほど辛かった。
その時。
「和音は…助かったよ」
え?
思いがけない言葉。
見上げると、作り笑いをしている和がいた。
「本当に?本当……よかった。」
涙が止まらない。