「ゴホッゴホッ!」
咳き込みながら上がってくる和音をただただ見ているしかなかった。
「次!」
女の言葉でまだ咳き込んでいる和音抑える。
「はぁ…はぁ…や、やめてください…」
すがりつく様に、必死に抵抗している。
「次はこれ。」
ガラン!
!!!!!!!!!!!
女はバットを男の人数分投げながら言う。
バット…そんなんで殴ったら…本当に…。
考えるだけで怖くなり、眼を閉じる。
その時。
ゴン…
「ぁーーー…うっ…はぁ…はぁ」
嫌な音それと同時に和音の声が響く。
ゴン…
「ぅ…」
男の力に勝てるわけがない。
普通に考えて、女の力でも危ないのに。
「もうそろそろ…」
女の不機嫌そうな声…
その瞬間。
ゴン!
さっきとは違う音が響く。
ゴンっと言う音と共に何かが割れる音がした。
そっと眼を開ける。
!!!!!!!!!!!!
うっ…。
そこは血の海だった。
最後のが頭に当たったらしく、和音は倒れている。
もう…ダメだ。
眼が熱い…。
涙が止まらない。
その時。
ガラッ…
扉が開く。
「警察だ!!」
警察…?
なんでここに…。
俺の縄を解いてくれたのは、警察ではなく。
翔と雅樹、それと亀だった。
「和…大丈夫か?」
亀は涙目だ。
ビリッ
ガムテープをとってくれた。
「俺はいいから、和音が…」
翔達は和音に気づかなかったのか、俺の差した方向を見た。
バタン…
亀はそれを見て倒れ。
雅樹は放心状態だ。
そして翔は。
「重傷者はここにいます!!!!早く来てください!!!!」
和音の血だらけの頭を抱き上げ言った。
「和音?……大丈夫、大丈夫だから…お願い。」
声が小さく、なっていく。
和音は担架に乗せられ、それにみんなで付き添った。