●愛歌●

私は、やっと泣きやんだ。

どれぐらい泣いただろう?

もっと早く気づけばよかった。

康太の事が好きだって。

でも、康太はあの子が好き。

だとしたら2人は、結ばれたんだから康太の幸せを願わなきゃいけない。

今まで康太が誰とも付き合わなかったのは、私のせいかな?

だとしたらごめんね……康太。

「愛歌、ご飯出来たよ」

お母さんが私を呼んだ。

「ごめん……今は、いい」

「そう? お腹すいたら食べるのよ」

お母さんは、そう言って部屋から出て行った。

正直言って食欲がなかった。

詩織と亜由にどう言えばいいんだろう?

明日、言おう。

次の日―

「おい。愛歌、起きろ」

「ん? 康太……」

私は、目をこすって目を一気に開けた。

「起きたか。じゃあ、先に下行ってるからな」

康太は、そう言って部屋から出た。

えっ……何で康太が居るの?

頭が回らない。

もしかして昨日のは、夢?

だとしたらいいんだけど……

私は、制服に着替えて下に降りた。

「愛歌、おはよう。ご飯、出来てるわよ」

私は椅子に腰かけていつも通り朝食を食べた。