玄関のドアを開け
ふわっといつもの私の家の匂いがした

私の家は築四十年の木造建築だ

お父さんが小さかったときに建てたものだから

だいぶ経っている
床はほとんど畳か絨毯(じゅうたん)でフローリングは台所だけ

昔の家の造りは収納スペースがなく物を収納するところがない

だから家の中はあちこち散らかり状態


例であげると
洗濯物を取り込んで畳んでタンスはあるのだがそのタンスもいっぱいで

床においてあるしまつ

一人部屋と言えるような部屋がなく一人でいられる空間がない

お風呂場は1人でも狭く
浴槽はステンレスで足を伸ばすことができず縮こまって入らなくてはいけない

しかも今では珍しいボットントイレだ…


だから友達の家に行ったとき
よく羨ましくなるものだ

水洗トイレいいなぁ…
と羨ましく思うのはおそらく私だけだろう




ざっとあげてみると
いいところより
むしろよろしくないところのほうが多い…


まあ築四十年のままだからなぁ


こんな家だけど
4月からは恋しくなるだろう


なぜなら私は4月から
アパート暮らしだから

洗濯もしなくちゃいけないしお風呂も自分で入れなくてはいけない

といっても隣に親戚のおばさんの家があって
ご飯はおばさんの家で食べさせてもらうんだけどね


ご飯以外は自分一人でやらなくちゃいけないんだよね…

みんなより少し早い一人暮らしみたいなものだな

前試しに見に行ったときけっこう新しくてきれいなところだったな

お風呂も足伸ばせるぐらい広いし
もちろん水洗トイレで…

私の家よりいいって思える場所はたくさんあるのに


やっぱり自分の家がいいって思うのはなんでかなぁ…