「あっつー!」
じめっとした空気が特徴的となる季節。
生暖かい風がゆるく吹き、肌を撫でるそれは涼しいと思えないから逆に鬱陶しく感じる。
まあ、あるだけマシみたいなやつかな。
―――高校2年生の夏休み初期、現在。
課題研究の班が同じ子達と学校の図書室に集まった帰り道。
暑さに体力を殆ど奪われてしまった私は、重たい足取りでふらふらと帰路を辿っていた。
それにしても暑すぎる。なんだこの暑さは、頭オカシクなるのも時間の問題じゃないだろうか?
熱中症患者がまた隣県で出たって、今朝ニュースで言ってたし。やっぱり今年の気温は例年より高いと思う。
そんなことを考えていると、ふと目に留まる゙それ゙に伴って私は歩むスピードを緩めた。
「(…また、居る。)」