そうだ!
私、遅刻しそうなんだった!


「走るよ」


彼が唐突に走り出す。

私もつんのめりそうになりながら必死について行く。





それからは時間に追われていたこともあって、よく覚えてない。

気付いたら入学式の真っただ中で、ずっとあの人のことばかり考えていた。


キョロキョロと辺りを見渡してみたけどあの人はいないみたい。

あの人…新入生じゃないのかな?


そういえば、お礼言ってないや。


でも名前知らないよ…。


つくづく自分の行き当たりばったりさが憎い。