彼が立ち上がりこちらを振り向いた。 私はなんだか恥ずかしくてうつむいてしまう。 「立って」 「…え?」 「道わからないでしょ?」 「へ……」 「入学式、遅れるよ?」 腕をつかまれ、ふわりと立たされる。 ぼーっとしてしまいそうだったけど、ハッと我に返る。