椎名先輩は辺りを見渡しながら首をかしげた。 「そういえばあいつ、いないな」 「このクラスなんですね」 「うん」 椎名先輩はもう一度教室を覗く。 久遠先輩の席らしきところを見て、手のひらをポンと叩いた。 「そういえばバイト早番って言ってたな」 「今日は無理そうですね…」 私が肩を落としていると梨香ちゃんが喰らいついた。