「あり、がとう・・」



「俺、ちょっとなんか買ってくっから、待ってて。」



「ん・・・わか、った。」




ガチャッ―、



彼を見送った私は、部屋の中をぐるりと見回した。



男の子の部屋にしては、綺麗な気もする彼の部屋―、




ふと、私は彼と、一人の女の子が写っている写真を見つけた。




今より、全然幼い彼は、写真の中で無邪気に笑っている。



そして私は、隣で笑っている女の子に視線を移した―。




その女の子は、




「・・・・私―・・・?」



幼い彼の隣で無邪気に笑っている女の子は、小さい私だった。




「な、んで・・・?」





幼い彼と私は、幼稚園の制服を着ている、



幼い頃の私の記憶が、頭のなかを走馬灯のように駆け巡る。




『 逢斗くんっ、わたしね。逢斗くんがだーいすきっ 』



『 逢斗くんのお嫁さんになるっ 』



『 逢斗くん、逢斗くんっ 』




蘇る、彼との思い出―。




幼い頃の私は、彼に恋をした、



彼は、私の全てだった―・・・。