7年後―。




「あいとくんっ、雨やんだよ、散歩行こうっ!」


「おまえ、おなかに子供いるんだからあんまはしゃぐなよ。」


あの日から7年の時が経って、私と逢斗くんは結婚した。


そして、私のおなかには、逢斗くんと私の子供。


という新しい命―・・・。


「ごめん、ごめんっ。ね、あの土手いこっ」


あの時の『土手』―。


一人、雨の中傘をささず歩いてた私を、逢斗くんが声を掛けてくれた、


あの場所―。












「ねぇ...逢斗くん。虹だよ。」


「あぁ、」


「逢斗くん、大好きだよ。」


「ん・・俺も。」






逢斗くん、逢斗くん―。




私はこれからも、


『逢斗くん』という大好きな人の隣で、笑っていたい―、






そして、新しい命を大切にしたい―。










忘れないで、人は皆大切な誰かに思われていることを、


一人じゃないんだと、


乗り越えられない試練など、ない。のだということを―。