「藍、それと。俺、藍の事迎えに来たことあんだぞ、」


「え、」


「俺さぁー、中2の夏。こっちに戻ってきて、藍の隣の学校に転校してきたんだけど、」


「・・・。」


「藍に会いに行こうとしたら、藍、彼氏いた。」


「あ・・。」


そうだ、その時期。


私には、彼氏がいた。


彼氏っていっても上辺だけの、


逢斗くんを忘れるために付き合った、彼氏。




「あ、れはさぁ・・逢斗くんを忘れるために・・。」


「なんで忘れなきゃいけねんだよ、」


彼は少し不機嫌モードだ。




「俺はずっと藍だけだと思ってたのによー、」


「あ、れっ待って待って!中2の頃に引っ越してきたって・・


 今日、雨の中で私が一人だったとき私だって知ってて助けたわけ?!」




「い、や・・まぁ、あれは・・」


「うわ、最低。私だって気づいてて名前聞いたんだぁー。」


私は非難の目で彼を見つめる。