「未来ちゃんってピアノ上手いな!!」

「すげぇな!!」



部の先輩達はやる気がナイようであたしが弾くピアノの前に集まってきた。



「先輩達も練習したら？」

「んー…。俺らはいいから弾いててよ。ピアノ弾ける子っていいよなぁ♪」



先生を見ると少し不機嫌な様子で黒板を掃除中…。



ヤキモチ妬いてんの？



すごい嬉しい♪



「先生、お手本で弾いて？」

「俺!?俺はいいから…。」

「弾いて♪」



久しぶりに聴いた先生のピアノは不満たっぷりの音だった。



先生って解りやすい人だね…。



あたしは先生の指を見てた。



キレイな指…。



何かの虫みたいに動いてる。



あの指で触られたい。



あの手で頭を撫でて欲しい…。