「死…なないし。」

「ならいいや。教師1日目で自殺は勘弁してほしい。」



この人は先生だ。



初めてそこで確信した。



「先生?」

「そうだけど?」

「見えないね♪」

「余計なお世話。」



あたしはフェンスから降りて先生と向かい合った。



「何て名前?」

「知らねぇのかよ…。さっきも自己紹介したんだけど…。」



あっ…。



それサボった♪



「始業式出なかったから♪」

「不良少女発見。」

「違うし!!」



それから先生は携帯灰皿にタバコを押し込んで、フッと笑った…。



笑った…。



「樋口。」

「下は?」

「新。」

「何の先生?」

「音楽。」



音楽…。



「超微妙~!!」

「はぁ!?お前失礼な奴だな…。黒パンツのくせに。」

「は!?見たの!?」

「見た見た。つーか見えた。」

「マジ最低!!」



先生とは思えない先生は、音楽の先生だった…。