やっぱり先生のピアノはいい。



あたしは涙を必死で堪えた。



その時。



「グッサン♪」

「何??」



先生はピアノから手を離して入ってきた生徒を見た。



「返しに来た♪」

「おぉ!!よかっただろ!?」

「かなりハマるわ♪ってさぁ、グッサンってピアノ弾けんだな!!俺も聴いていい!?」



それから知らない先輩と一緒に先生のピアノを聴いた。



この先輩に助けられた…。



先生と2人だったら泣いてたかもしれない…。



その後は、楽譜を持って音楽室から教室に戻った。



好きな人…。



いるんだね…。



「遥、屋上行こうよ♪」



あたしは久しぶりに授業をサボった。



「辛いっス~~~…。」



叫んでも何も変わらない…。



「未来…。あたしは応援してるからね?」

「うん…。」



好きな人は好きになっちゃいけない人。



その人には好きな人がいた。