先生は音楽のジャンル全てにおいて詳しくて、クラシック、演歌、さらにはレゲェの事も語ってた。



みんなの先生を見る目は一気に変わって、授業が終わる頃には、ただの音楽教師から、尊敬できる音楽教師に変わってた。



なによりも、音楽について熱く語る先生から目が離せなくなった…。



授業が終わったら、男の子達が先生を質問責めにしてる。



あたしはその横を通って遥と教室に戻った。



「樋口っていいかも~♪」



遥がそう言った時に、あたしの胸が苦しくなるのを感じた。



あの人は先生で、好きになっちゃいけない人。



それに、あたしが先生なんか好きになるわけないじゃん…。



遥はその後も先生を絶賛してた。



あたしの胸は痛みを増す…。