「バカだな…。」



先生はそのまま空を見上げてた。



「だからね…。」

「ん…。」

「あたしが迎えに行くんだ。」

「そのダメ男を?」



先生はびっくりした顔であたしを見てる。



いつみてもカワイイ。



「うん。」

「ダメ男なのに?」

「うん。でもね、あたしはその人から、夢をもらったから。」

「……。」

「その夢を叶えたら…。迎えに行くんだ♪」



きっと迎えに行くから。



だから、待ってて?



「頑張れよ?」

「うん。」

「きっと…。そのダメ男も頑張ると思うから。だから頑張れ。」



先生は今までで一番の笑顔を見せてくれた。



泣かないって決めたのに…。



「行ってきます。」

「気を付けてな…。」



先生に背を向けて歩きだしたら涙が止まらなかった。