「何もないならいいんですが…。もし何かあったら立場上目を瞑るわけにはいきませんからね。」

「分かってます。」

「私も樋口先生の様に、生徒に信頼されてる先生を失いたくはありませんからね。」

「ありがとうございます。失礼します。」



最悪な空気を抜け出した俺は、準備室に行って未来に電話をかけた。



「先生?どうしたの?」

「校長に呼ばれた。未来との事で…。」

「えっ…。」

「誤魔化しといたけど、放課後のピアノのせいだと思う…。」



未来は何も話さない…。



「バレたら…。どうなるの?」

「未来は退学か転校…。俺もどっかに飛ばされるかな?」

「やだ…。」

「俺もイヤだよ…。」



未来との話は何も解決しないままに終わった…。