その途端…

ドクン、ドクン、ドクン

と鳴り出した。

『夏希…あの子…風の様だわね』

美紀がぼーっと見つめながら言った。

『美紀も…そう思ったの??』

あたしがびっくりして聞いた。

『うん』

本当に…等は風の様な子だなぁ…

だって美紀でさえ、思うんだもん。

あたしは、美紀に向かって、

にやっと笑った。



放課後…

『夏希ー!!一緒にかえろー?』

美紀が言った。

けれど、あたしは、

『ちょっと待って!!』

といって、等のところへ行った。

『神崎…等!!』

あたしが叫んだ。

神崎等は、あたしのほうを向いた。

『ん?』

『あの…一つだけ伝えたいことがあるの…』

あたしは、とっさに言った。

『何?』

神崎等は、びっくりして言ってきた。

『くだらないんだけど…ね?』

『おう』

『キミって…風っぽいねっ!!』

いきなり何を言っているのだろうか…

『え?』

『それじゃあっ!!』

ああっ…

あたし、何を言ってるのかなあ?

自分でもわけ分かんない!!

でも…本当に風みたいだなあ…

風の様で…

でも…あたし…

何を伝えたいんだろう?