4月入学式
たくさんの人が、この高校を出入りしていた。

私、立花双葉もその一人だ。
この高校に入った理由は、都会が近く、家からも近かった。
ただそれだけ。
特に理由もない。

しかし今、
私は校門の前で立っている。
...何かやりたいことを見つけないと。

そう思っていたとき、

どんっ
突然、私の肩に誰かがぶつかった。
「あっ、すみません」と体育会系の明るくて、でもどこか寂しそうな男の子が言った。


.....一年生かなぁ
そんなことを考えた。

すると、
「ふーたーばっ!!」
聞き慣れた声に呼ばれた。
後ろを振り返ると、中学が一緒だった、由衣がいた。

「遅いよー!!早くクラス見に行こっ」
私は9組、由衣は6組だった。
「残念だねー 遊びに行くよー」と由衣が言った。
そして私は
「ありがとー じゃあ後でね」と返した。

そして二人は、それぞれの教室へと入っていった。