「…この抱き心地だよなぁ…」


「放せ!
てゆーかあたし、プリン持って帰るの!!」


あの後無理やりに手を繋いで俺の家まで来て。


中に入るなり我慢出来なくて、後ろから抱き締めた。


それなのに清水は、相変わらずのこの調子。



「…つれねぇこと言うなよ。
つーか俺んち来たんだし、もっと仲良くさぁ!」


そう言ってダウンの隙間に手を滑らせ、久しぶりのその柔肌に胸が躍る。


耳の後ろにキスを落とし、それを首筋へと移して。



「ちょっ、アンタねぇ!
誰にでも馬鹿みたいにサカってんじゃないわよ!」


「―――ッ!」


瞬間、手を止めて俺を睨むその顔を見つめた。


もしかして、桜井先生とのこと嫉妬してんの?



「じゃあ良い。」


不貞腐れ俺は、清水から体を離してベッドに寝転がった。


手ぇ出そうとしたのは事実だし、あの状況は言い訳出来ないし。



「…俺があんな女とどーにかなるわけねぇじゃん。
つーか、信用されてねぇって悲しいかも。」


そう呟き俺は、ため息を吐きだした。



「…てゆーかセナちゃんだって、他の男と仲良さげだったしぃ。」


「何それ?
タクちんとなんて、地球が傾いたってそんな関係になるわけないじゃない。」


「―――ッ!」



いや、地球は元々傾いてんだけど。


ってなつっこみはナシにして。


目を見開く俺を清水は、不思議そうな顔で見つめて。