その時、
「バカじゃないの?」
と言った鈴木さん。
「ねぇ、あたし、あんたのこと騙したんだよ?それなのに・・・バカじゃないの?・・・・・・ホント、バカだよ・・・もう、付き合ってらんない!あんた達みたいなバカップルなんて、好きにすればいい!あたし・・・もう帰る!」
あたし・・・鈴木さんと正々堂々と向かわなくっちゃ・・・
鈴木さんを呼び止めたあたしは言った。
「あたし、鈴木さんにちゃんと言ってなかったから・・・あたし・・・かっちゃんのことが好きなの・・・ずっと前から・・・ちっちゃい頃からずっと好きなの・・・だから、あたし達、ライバルだよね!あたし、鈴木さんみたいにちゃんと自分の気持ち言えるようになりたい!あたし、頑張るから!」
そんなあたしに鈴木さんは、ため息をついて言った。
「はぁ・・・ホントにバカもここまできたら、救いようがないわね。ライバルも何も、あたしは須原くんの眼中にないのよ!それに、もう須原くんのこと飽きちゃった。あんなにアプローチしても、全然なびいてくれないし・・・あたしだって、他に言い寄ってきてくれる男いるしね!須原くんなんて、あんたにあげるわよ!じゃあね!」
鈴木さん・・・ありがとう・・・
「鈴木さ~ん!あたし達、友達だからね~!」
鈴木さんは、振り向いてくれなかったけど、手を振りながら帰って行った。