「あたし、須原くんと同じクラスの鈴木奈美っていうの。今日は白石さんにお願いがあって・・・」

「かっちゃんと同じクラスなんだね!」

そうあたしが笑いかけると、鈴木さんは急に涙を流しながら言った。

「須原くんと一緒に学校来たり帰ったりするの、やめてほしいの。須原くんの自転車に乗るのもやめて。あたし達、付き合ってるの・・・」

ウソ・・・

何も言えずにいるあたしに、鈴木さんは続けた。

「須原くん、付き合ってること誰にも知られたくないからって、あたしと一緒にいてくれないの。なのに、白石さんはいつも一緒にいて・・・須原くん言ってた。白石さんは幼なじみだから、仕方ないんだって・・・自転車乗せるの断りたくても断れないって・・・でも、あたし、嫌なの・・・須原くんはあたしの彼氏なの!だから、盗らないで!!もう須原くんに会うのやめて!お願いね!」

そう一方的に言った鈴木さんは、走って屋上から出て行った。