門脇を追い返し部屋に戻ると、放心状態でベッドに横たわったままの雪奈がいた。
俺は雪奈を抱き起こすと、そのまま抱きしめた。

雪奈・・・ごめん・・・俺がもっと早く来てれば・・・

雪奈を抱きしめた俺の視線の先に、割れた窓ガラスが見えた。
このままじゃ雪奈が家にいられないと思った俺は、親父さんがガラス屋をしてる友達に電話した。
すぐに直しに来ると言ってくれてるとわかり、俺は雪奈に俺の家で待ってるように言った。
俺のベッドで寝てろと・・・

雪奈を俺の家に連れて行くと、すぐに雪奈の家に戻り、友達の親父さんを待った。
本当にすぐに来てくれた親父さんは、手際よくガラスを直し始めた。

その時、ふと視線を感じた俺が窓の外をみると、開いた俺の部屋の窓から雪奈がこちらを見ていた。

「雪奈、そこ閉めて寝とけ!また倒れるぞ!わかったな!」

雪奈が窓を閉めたのを確認して、俺は雪奈が寝てくれたと安心していた。
でも、雪奈の傷は思った以上に深かったんだ。
そんなことにも気づかず、俺はガラス修理をしてくれている親父さんと、楽しく話しながらガラスが直るのを待っていた。