それでも唇を拭こうとするあたしに、かっちゃんが言った。

「大丈夫だから!雪奈、もう大丈夫だから!」

あたしを強く抱きしめるかっちゃん。
その力に手が動かせなくなったあたし。

「あたし・・・初めてだったの・・・ファーストキスだったの・・・初めては・・・好きな人としたかった・・・好きな人としたかったの・・・こんなの・・・いやだ・・・」

そう言って泣き崩れたあたしの頬を両手で挟んだかっちゃんは、

「大丈夫だから・・・」

そう言って、あたしにそっとキスをした。