かっちゃんのベッドに座ってぼーっとしていたあたしは、さっきのことを急に思い出してしまった。
あたし・・・門脇くんにキスされたんだ・・・
ファーストキスだったのに・・・
初めてはかっちゃんとって思ってたのに・・・
やだ・・・あんなの・・・やだよ・・・
そう思ったあたしは、無意識のうちに震える手で唇を拭いていた。
拭いても拭いても、門脇くんの唇の感触が残ってる。
いやだ・・・いやだ・・・かっちゃん・・・助けて・・・
その時・・・
「雪奈!?何してる!?血出てるじゃん!やめろ!」
そんなかっちゃんの声が聞こえた気がしたけど、あたしは唇を拭くのをやめなかった。
「なくならないの・・・消えないの・・・門脇くんの感触が消えないの・・・」
そうやって泣きながら必死に唇を拭いているあたしの手を掴んだかっちゃんは、あたしを強く抱きしめた。