「雪奈ちゃん、もう少し寝たら?俺、家の人が帰ってくるまで、雪奈ちゃんのそばについてるから。」

「いや・・・あの・・・今日はお父さんもお母さんも旅行でいないから・・・でも、あたしもう大丈夫だから・・・」

と言ったあたしに、門脇くんが言った。

「今日、1人なの?心配だよ。泊まらせてとは言わないけど、雪奈ちゃんが少し寝る間だけでも、そばにいさせて?」

ここでちゃんと断れば良かったんだ。
でも、屋上で健ちゃんにかっちゃんのことが好きだと言ったことを、門脇くんが聞いていたかもしれないと思うと、罪悪感からか、門脇くんの優しさを拒むことが出来なかった。

「ありがとう・・・じゃあ少しだけ・・・」

そう言って、あたしは門脇くんを部屋に案内した。