私が今向かっているのは家庭科室。

お菓子作りが大好きな私が所属しているのはもちろん家庭科部。

活動があるのは週に二回で、調理をするのは月に一度。

でも、せっかく設備が整っているのに使えないなんてもったいないでしょ?

だから、先生に使えないかどうか聞いてみたら、私が製菓の専門学校に進むことを知っていたから快く使用許可をもらえた。

そのかわり、家庭科部のぶちょうをすることになっちゃったけど。

家庭科室は他の教室と同じように、朝、先生が鍵を開けてから鍵は開いたままだけど、授業以外で普段家庭科室に来る生徒はいない。
二年生の頃からたまに放課後に使わせてもらっていたら、いつの間にか家庭科室の施錠は私の仕事になっていた。

施錠って言っても、扉を閉めた後の鍵は、先生に教えてもらった隠し場所に収めるだけだけどね。

先生いわく、要は生徒に見つからない場所に収めるていれば問題ないんだって。

「今日はまたシュークリーム作ろうかな……」


材料を色々入れさせてもらっている冷蔵庫の中を確認しながら、私は呟いた。

昨日作ったシュークリームは皆にあげたせいで、結局一つしか食べれなくて文香がかなり残念がっていたからもう一度作ることにした。