私が小さいんじゃなくて文ちゃんの背が高いの、なんて言えない。

確かに文香は165cmは身長があって、クラスの女の子の中でも背が高い方なんだけど、その反対に私の背が低いことも確かなこと。

150cmしかないミニマムな私はクラスで一番背が低い。

……背が小さくて可愛い、っていうのは褒め言葉じゃないよね。絶対。

そんな私の特技はお菓子を作ること。

幼い頃からパティシエールになることが夢。

私と文香が話をしていると、だんだんと仲の良い友達が数人集まって、お弁当を食べ終わった後にお菓子を食べる約束をした。

お菓子が大好きな文香は「ウチの取り分がぁ……」なんて言ってたけど、まさか本気で残念がって……るね。

あの様子だと。

机にぐったりと突っ伏している文香を見て、私は小さく苦笑した。



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皆でワイワイ話ながらお菓子を食べて、昼休みはおしまい。

皆喜んでくれたみたいで良かった。

お菓子を作ることも好きだけど、お菓子を食べて笑ってる顔を見るのはもっと好き。

そのことを文香に言ったら、「梨乃は天然というか純粋……」なんて言われちゃったけど、嬉しいものは嬉しいんだから仕方ないよね。