『たとえ泳ぎが得意だからって、自分より身体の大きい人を抱えて泳げる女の子なんてきっといないと思わない?』 『……確かに』 ――あっ…… 今、俺はすべてを思い出した。 そうだ、 あの日意識を取り戻した俺はここで君と出逢った。 少し話をして、最後に君は言ったんだ―― 『あたしね、人魚なんだ―――』