意味が分からなかったけど、何らかの形で海羅は俺のそばにいてくれるんだな。
そう思うと、少し心強くなる。
「海羅、ありがと」
「あたしの方こそ。ありがとね、瑠衣」
重ねた手から、彼女の体温が伝わってくる。
心地よい微熱に、ずっとこうしていたくなる。
目を閉じて潮風を感じていた時、不意に海羅が立ち上がった。
「ねぇ、明日またここに来てほしいの」
「別にいいけど」
「その時にね、あたしがあげた砂時計も持ってきてほしいの」
なぜかは分からなかったけど、俺はゆっくり頷いた。
「うん。じゃあ今日はもう遅いから帰ろうか」
「……うん」
俺も立ち上がり、振り返って歩き出そうとした時だった。