まるで遠い未来を見つめるように彼女は空を見上げていた。
その綺麗な横顔から目がそらせずに、無意識に涙がこぼれた。
「瑠衣?どうしたの?」
「ごめん…分からない」
どうして泣いてるのか、どうしてこんなに海羅が遠いのか。
「ただ…終わりが来るくらいなら思い出したくない」
ずっと一緒にいたい。
海羅もそう言ってくれたのに。
どうして急に突き放すようなことを言うのか、そう考えると虚しくなってくる。
「思い出なんていらないから」
「瑠衣……」
彼女の手を握って、俺は涙を拭った。
すると、目の前の顔が少し難しそうな表情をした。
「難しいよ」
まるで不可能というように、俺の希望は光を失っていく。
「でも大丈夫。あなたに寂しい思いは絶対にさせないから」
「えっ……」
海羅は自信に満ちた顔をしてそう言った。
「たとえ何が起こっても、あたしはあなたを悲しませることだけは絶対にしない。これだけは信じて」