6年前の記憶……

俺の中に抹消された思い出は、星の記憶にあるんだろうか。


きっと楽しい思い出だから、見つけることができるかもしれない。


星に願えば、取り戻せるかもしれない……





「――瑠衣」


幻聴かと思った。


突然鼓膜を揺らしたその音に、俺は驚いて振り返る。



「海羅……」


どうしてここに?


そう思ったけど、彼女がここにいておかしいことは特にない。


落ち着きを取り戻し、俺の隣をぽんぽん叩いて座るように促した。



「どうした?」

「瑠衣に会いたくなって」

「そう」


彼女に微笑みかけるけど、どこか寂しげな表情。


その理由はもちろん分かってる。