「で、何かあったの?」 「ああ、合わせてほしいなと思って。」 果南が台本の場所を示す。 「僕もやる。」 そう言ったのは榎本夏葵。れっきとした男の子。 「ん。じゃあ、ここからね。」 あたしたちは位置につく。 それと同時に扉の開く音。 後輩たちが来る時間にはまだ早い。確か今日は全員赤点の補習が入っていたはずだから。 「チワーッス。」 「うっそ・・・!輝来たの?!今日雪降るじゃん!」