麻美はこの男が命の恩人だと知った


「あり…が…と…。」


少し怯えながらも私は感謝の気持ちを伝えた

神様からの手紙だと思っていたものが

実はサラリーマンだったとは…


私は急に自分がおかしくなった

神様…

いるわけないよねぇ~


「でも、夢を見させてくれてありがとう

 少しの間に

 私は生きる勇気を与えてもらったよ


 代わり映えのない毎日は

 どんなに辛く寂しいことか…

 毎日あなたが風になって運ばれてくるのを待ってたの

 あなたの香りや風ががとても心地よくて

 それを感じる時、とても幸せだった


 今の私には

 あなたの顔は見えないけど

 あなたの心は見える

 声は聞ける

 神様からの手紙よりよっぽど内容が充実してる…。」


私の口からは伝えたい言葉が次々と溢れてきた

全てを言葉に出来ない気持ちに

私の目からは涙が流れてきた


麻美の涙は十分サラリーマンに伝わっていた