「ゴメン…。」


男の人の声がした。。。


「誰…。」


私はおびえた声だっただろう

必死にナースコールを探した
 

いつも看護師なんてあてにしていない私は

ナースコールなど気にしたことがなかった為

場所すら分からない…


が、この時ばかりは

看護師さーん!!

助けて~!!

大声で叫びたい気持ちだったが

あまりの恐怖に声が出ない…

私は必死で布団に包まった


「ゴメン…。

 何もしないから

 大丈夫…。」


スーツ姿の男は続けた


「実は毎日来てたんだ

 あの日、林さんが倒れてるのを見かけて

 病院まで一緒についてきた。

 本当はもっと早く声かけたかったんだけど

 君の目が見えていないことを知り

 どう接していいか分からなかった。

 でも、僕は何故か君のことが気になり

 毎日病室に足を運んでいた。

 君の目が見えないことを知りながら

 僕は正体も明かさず

 情けない男だと思う…。」