「そぉだぉ!

 たなぁしゅーぃ!」


口を抑えられている紗枝が

喋った

普通なら聞き取れない言葉


田中修司―


私の耳にはそう聞こえた

まるでその言葉を期待していたかのように…


「ちょっ!

 言うなよ!」